エアゾール製品は、大きく分けて、噴射ボタン(ボタンノズル)・バルブ・ディップチューブ、耐圧容器の部分からなります。
耐圧容器内に液化ガス、圧縮ガスを充填し、耐圧容器内の圧力を高くします。噴射ボタンを押すと、耐圧容器内に充填されたガスが内容物を押し、その力を利用して、内容物を噴射することが出来ます。
従って、耐圧容器内に充填された噴射ガスの圧力が下がると、容器内に内容物が残ったまま、使用できなくなることがあります。
エアゾール製品は、噴射剤の種類と噴射剤/内容物の相性によって、振って使用しなければならない製品と、振らずに使用しなければならない製品があります。
・噴射剤が原液に溶解しないで、3相に分離しているもの容器内で3相に分離する製品は、使用前に良く振ることで、噴射剤と内容液原料が良く混合し、一定の噴射状態を保つことが出来ます。
エアゾール缶内で液化しない圧縮ガス(窒素ガスN2、炭酸ガスCO2)を噴射剤とする製品は、使用前に缶を振って使用すると、ガスが液層に溶解しガス圧が下がるため、内溶液を最後まで噴射できなくなることがあります。エアゾール製品は、製品に使用されているバルブの機構により、倒立で使用できる製品と使用できない製品があります。

・ ディップチューブ先端におもりが取り付けられた製品
原料に固体、グリース、樹脂などが含まれている製品の場合、製品使用後、そのままの状態で保管すると、噴射ガス及び溶剤が揮発し、ノズル、バルブに、残った固形物が詰まり、噴射ボタン脇の漏れが発生したり、内容液が噴射されず製品が使用できなくなったりすることがあります。このような状態とならないよう、製品によっては、使用後、空吹きの作業を行なう必要があります。そうすることで、ディップチューブから、噴射ノズルに残った固形物がガスで押し出され、詰まりによる不具合がなくなります。
噴射ガス、溶剤が揮発しても、固形物が残らない製品は、製品の使用後、空吹きの作業を行なう必要はありません。
全てのエアゾール製品は、その排出機構上、低温になると内溶液がでにくくなり、高温になると缶破裂の危険性が出てきます。(噴射剤の種類により、温度による影響は違います。)
エアゾール製品は、噴射ガスの圧力によって、内容液を排出しています。
低温の時とは逆に、温度が上昇するとエアゾール缶内のガス圧が上昇します。高温になってエアゾール耐圧容器缶の耐圧限界以上の圧力が加わると、缶が破裂します。そのため、エアゾール製品は、40℃未満で保存する必要があります。エアゾール製品は、最後まで使い切ってから捨てて下さい。
中身の残っているエアゾール缶は、清掃車の火災・収集時の破裂などの原因となり、大変危険です。
エアゾール缶を捨てる際、火気のない通気性の良い安全な屋外で中味が出なくなるまで出し、容器を振り、中味が残っていないことを確認して下さい。
中身を出す時に、皮膚・衣服や他の物品にかからないように注意して下さい。
使い切ったエアゾール缶とプラスチックは各市区町村の指示に従い分別して、ごみに出してください。
弊社エアゾール製品の使用上のポイントをまとめましたので、御確認下さい。
| 製品名 | 使用前に 振る?振らない? |
正倒立での使用は 出来る?出来ない? |
使用後の空吹きは 必要?不必要? |
| 2.参照 | 3.参照 | 4.参照 | |
| 特殊用途製品 | |||
| トルクキープ | 振ってから | 使用可能 | 不必要 |
| ブレーキメンテナンス製品 | |||
| 821S | 振ってから | 不可 | 必要 |
| LA2S | 振ってから | 不可 | 必要 |
| MINIポリコールS | 振ってから | 不可 | 必要 |
| MT-300S | 振ってから | 不可 | 必要 |
| スプレー潤滑剤製品 | |||
| 821A | 振ってから | 不可 | 必要 |
| パワーコート | 振ってから | 不可 | 必要 |
| エクセル | 振ってから | 使用可能 | 不必要 |
| ホワイトグリース | 振ってから | 不可 | 必要 |
| 塗装剤製品 | |||
| ダークシルバー | 振ってから | 不可 | 必要 |
| シルバーコート | 振ってから | 不可 | 必要 |
| パーツクリーナー製品 | |||
| ブレーキクリーナー | 振ってから | 使用可能 | 不必要 |
| BIGパーツクリーナー | 振ってから | 使用可能 | 不必要 |
| ガス漏れ検査製品 | |||
| リークシーカー | 振らずに | 使用可能 | 不必要 |