ディスクブレーキ鳴きのメカニズムと防止方法

ディスクブレーキ鳴きとは

ブレーキを使用したときに、ディスクパッドから発生し、キャリパーその他、ブレーキ各部へと伝わる摩擦振動と、ディスクローターで発生し、インナー、アウターのディスクパッドから、ピストン、キャリパー、スライドピン、 トルクプレートへと伝わる回転振動が、共振、共鳴し、ブレーキ鳴きを発生させます。防振性に優れた、金属摺動専用、ブレーキラバー専用製品を各指定された箇所へ塗布することで、振動の伝達を抑え、ブレーキ鳴きの発生を抑えることができます。

各ブレーキメンテナンス製品の使用方法と使用箇所

インナーパーツ専用グリース　塗布部分
（MT-80、MT-300、321ポリコール、ミニポリコールS）
錆スラッジの除去後にシールを入れてからピストンの振動が伝わらないように厚く塗布して下さい。

821S　塗布部分
ディスクパッド鉄板部とピストンの当たり面、ディスクキャリパーとの接触部、トルクプレートピンとキャリパーとの接触部に塗布してください。
【注意事項】
ゴミ、錆、スラッジ等の除去してから、作業を行ってください。ディスクパッドの金属面は丸く処理してから塗布してください。

LA2S　塗布部分
パッド表面の硬化はペーパーで落として下さい。15cm～20cm程離してLA2Sを軽く一度吹きして下さい。パッドの角は取らないで下さい。

ドラムブレーキ鳴きのメカニズムと防止方法

ドラムブレーキ鳴きとは

ブレーキを使用したときに、ブレーキライニングシューから発生し、アンカーピンからバックプレート、ピストン頭部その他、ブレーキ各部へと伝わる摩擦振動と、 ドラムで発生し、ブレーキライニングシュー、ピストン、シリンダーからバックプレートへと伝わる回転振動が、共振、共鳴し、ブレーキ鳴きを発生させます。防振性に優れた、金属摺動専用、ブレーキラバー専用製品を各指定された箇所へ、塗布することで、振動の伝達を抑え、ブレーキ鳴きの発生を抑えることができます。

ペーストモリブデンB-2　塗布部分
振動防止作用としてペーストモリブデンB-2をシリンダー内面に塗布後、ピストンを回転させながら組み立てて下さい。
前処理としてシュー及びプッシュロッドはペーパーでダン付きを修正し、プッシュロッドの先端に浅く溝切り（十文字）を実施して下さい。

LA2S　塗布部分
ライニング面前処理としてライニング表面が硬化時には表面の両端4～5cm程、名刺1枚程の厚さをペーパーで落として下さい。
その後、ペーパー処理部分にLA2Sを15～20cm程離して軽く一度吹きして下さい。

ペーストモリブデンB-1　塗布部分
シューの摩擦振動がブレーキ構成部品に伝わらないようにプッシュ内・両サイドの当たり面ローラー側面、及びローラー内部には厚く塗布して下さい。
カムとローラーの当り面、ローラー側面、及びローラー内部には厚く塗布して下さい。

その他

ブレーキ鳴きの防止処理を行う場合は、いずれも分解整備が必要です。 各部のガタの点検を行ってください。（ブレーキ鳴きの原因となります。） 大型ブレーキ鳴き防止には、金属摺動面潤滑用としてペーストモリブデンＢ-１、インナーパーツ専用としてペーストモリブデンＢ-２をご使用ください。

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